「dimension pla pla (dimension++) と唱えると、2次元の世界の住人を3次元に引きずり出せるんだよ、すごいだろ?」
興奮気味にそう僕に語る男。僕はこの男を知らない。
「手始めに、この”俺の嫁”を呼び出してやろうか・・・dimension++ !!!」
唱えるや否や、タダの紙に印刷されたインクでしかない存在が、ずろーっと音を立てて3次元の実物になってゆく・・・
が、実際そこにいたのは、2次元キャラだったころのキラキラした感じの全くない、どこか勘違いした感じの残念な若干年増の、普通の女性だった。
僕は彼を尻目に、その場を後にした。